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社会人からのカナダ留学で見えた進むべき道。私が海外でパイロットを目指すのを辞めた理由

2021年7月23日

2017年ごろから仕事の休みを利用し、カナダのバンクーバーに分割渡航して始めたパイロット訓練。

その状況をこのブログでお伝えし結構なご好評をいただきました。

子どもの頃からパイロットに憧れ、満を持して海外訓練をはじめたにもかかわらず、結果的にはパイロットを目指すことを辞めてしまいました。

コロナショックの直撃が要因の一つですが、一番の理由は留学により視野が広がったことでした。

さて、以前このようなツイートをしました。

今日はわたし自身の心の整理もかねて、カナダでパイロットを目指すのを辞めることにした理由を時系列に沿ってお話しします。

長期休み分割渡航訓練(仕事辞める前)

実は2019年8月にカナダに渡航する前、仕事の長期休みを利用して何度かバンクーバーに行っていました。

目的はもちろんフライト訓練です。

同時に苦労して集めた情報を自分のだけに留めておくのももったいないと思い、自分用のメモ書きの意味も込めてこのブログの運営を開始しました。

もちろん、広告収入で訓練費の足しにしようという下心もなかったといえば嘘になります。

続けていくうちに、パイロットを諦められないという社会人が意外と多いことに気が付きました。これは意外でしたね。

情報発信を続けるうちに感謝をいただくことが多くなり、次第に喜びに変わっていったのを覚えています。

気が付いたら仕事以外の時間をすべてパイロットライセンス取得の勉強とブログ運営に充てていました。

行動のモチベーションは、「同じようにパイロットを目指す人の助けになる情報を発信すること」でした。

このようなことを続けているうちに、仕事を辞めてカナダに渡航する前にも関わらず「パイロットになる」というモチベーションは徐々に下がっていきました。

本格渡航、そして現地での出会いが私の視野を広げた

カナダに渡航してすぐ、2カ月だけ語学学校に通いました。

航空留学で語学学校に通うことには航空界隈では賛否両論あるところですが、私としては絶対に通って良かったと思っています。その話はまた別の機会に。

ここでは様々な出会いがありました。

コロナショック前に出会った個性的な人たち

日本に居続けたら一生会うことのなかったであろう人たちとの出会いがありました。

  • 映像やアニメーション関係の仕事をしている人
  • 婚約をしているのに留学に来た人
  • 大学を留年したので留学に来た人

全員日本人ですが、これまでどのような人生を歩んできたのか、なぜカナダに来たのか、帰国後はどうするのかなど、かなり深い話をしたものです。

休みの日には現地のイベントにみんなで出かけたり、エアビで一軒家を借りてみんなで年越しパーティーをしたりしました。

自分の人生の中で、こんなにも心を許せる「友達」ができたのは大学生以来のことでした。

本当にこれまでの人生で会ったことのないタイプの人たちで、経験したことのない休日の楽しみ方や未知の業界の話を聞くことができて非常に感銘を受けたのを覚えています。

同時に今まで航空にばかり偏っていたスカスカの脳みそに何かが満たされるような感覚があり、次第にパイロットへのモチベーションも下がっていきました。

そんな中で、新型コロナ感染症のニュースが世間を賑わせたのです。

コロナ禍、そして孤独なロックダウンへ

カナダのバンクーバーはロックダウン政策が施行されました。

生活必需品買い出し以外の外出は認められず、通っていたフライトスクールも規模を縮小しての運営となりました。

もともとパイロットへのモチベーションが下がっていたこともあり、通学頻度はさらに減りました。完全に外出自粛の空気が街中にあふれていたため、外出すると同じシェアハウスの人たちの目も気になります。

ここで、今まで一緒にいた友達が次々と帰国を決めていきました。

理由は、ロックダウンでバイトができないから。

私のように、飛行機を飛ばすために十分な貯えを持ってきた人はそう多くはありませんでした。

自分の部屋に閉じこもるようになり、自分の人生について考える時間だけが増えました。

2か月くらい経った頃でしょうか。いろんな人に電話で相談したり、YouTubeや映画を見たりしながら悩みぬいた末、ふとこのようなことを思いました。

「カナダまで来て、なぜやりたくもないことを我慢してやっているんだ?」

価値観が180度変わった語学学校

ここからの行動は早かったです。

その日のうちに以前お世話になっていたエージェントに連絡を取り、コロナ禍でも通える語学学校をいくつかピックアップしてもらいました。その中にあった、バンクーバーの中でも厳しいと有名なクラスに目が止まりました。

プレゼンテーションとディスカッションの多さで人気のクラスなのですが、コロナ禍でも規模を縮小して開いているとのことでしたのでそこに通うことに決めました。

この語学学校が、私の価値観を180度変えたのです。

そこで思い知ったのは、自分の英語力の無さと人生に対する考え方の甘さでした。

高すぎた英語の壁と語学学校を軽視した後悔

当時、日本語を使わず現地人のみと交流するスパルタ方式が航空ツイッター界隈で流行っていました。

そして私も例に漏れず、語学学校を軽視していました。

フライトスクールで無理して英語を使っていればいずれ英語力は上がると思っていましたが、これは大きな間違いだったのです。

そこそこの自信を持って挑んだディスカッション。ところが、全く言葉が出てきませんでした。英語もそうですが、自分の意見が何も思いつかない。思いついても、高速で流れるディスカッションに英語が追いつかないという負のスパイラルに陥っていました。

非常に悔しかったです。日が経つに連れて、学校までの道のりで恐怖さえ感じます。この英語力の無さが、パイロット訓練のモチベーションを下げた一因だったといまとなっては感じます。

結果的にこの負のスパイラルは抜け出すことができました。そのカギとなるのが「自信」でしたが、また別の機会にお話します。

頭では大丈夫だと思っても、深層心理では自信がない。英語を発する度にストレスがかかり、モチベーションが低下したのではないでしょうか。

ちなみに留学初期に通った別の語学学校の目的は、滞在中の友達を作ること。長引くであろうフライト訓練に耐えるためにメンタル面の基盤を作ろうとしたのです。

「このときに英語力の底上げを目的にしていれば...」

「最後に通った語学学校に始めに通っていれば...」

いまとなってはどうすることも出来ないのですが、後悔は尽きません。

英語力は、異文化理解と表裏一体です。

ここでいう異文化理解とは、ディスカッションやプレゼンテーションを中心とした教育システムに慣れることです。英語圏ではディスカッション中に他人の言葉をさえぎって自分の意見を述べることが当たり前なのです。

日本以外が出身の学生はこれが大体できている。そのため、日本人はどうしても負けてしまうことが多くなるのです。

当たり前ですが、フライトスクールでは英語を学ぶ学校ではないので、この辺は個人の努力に依存してしまいます。得意な人もいれば、苦手な人もいるのです。

英語を専門に勉強している人たちには到底かなわないのです。

まず、英語に対する本気度が全然違う。

英語ガチ勢の中でもまれるところから始めないと、基礎がないわけですから長いカナダ滞在期間分損をしてしまいます。

自分より大人びた年下のクラスメイトとの出会い、そして成長

厳しいといわれるその評判は本当でした。授業中に泣いてしまう生徒も出るほどで、特にプレゼンテーションのプレッシャーは大きかったです。

ですがただ厳しいというわけではなく、クラスが一体となるような、そんな温かい空気を感じました。

当時のクラスメイトは高校卒業直後の18歳日本人、自分より年下の韓国人や台湾人でした。

ほとんど全員が人生の目標を持っているのに対し、パイロットになるモチベーションを失っていた私は特に目標もなく、恥ずかしさすら感じました。全員私よりも年下なのに、私が一番年下かのような錯覚に陥りました。

「将来何がしたいの?」

「カナダでの目標は?」

こんな質問が飛び交うのが毎日苦痛でした。しかし不思議なもので、何度も聞かれると自分の中で軸が出来上がっていくのです。質問される度に自己理解が深まるのですね。

また身近な各国で起こっている男尊女卑や教育格差、これからやってくる未来の仕事の変化など、英語で徹底的に議論しました。

これらの議論は非常に興味深く、いままでパイロットに固執して見えていなかった身の回りの状態が、霧が晴れたようにクリアになっていく感覚があり非常に心を打たれました。

いかに今まで自己満足でパイロットを目指していたかを思い知らされたと同時に、中途半端な気持ちで仕事を辞めて留学に来てしまったことを後悔しました。

パイロットもそうですが、新卒で前職のメーカー技術職を選んだ時も、そこには「自分」がありませんでした。

ただ良い企業で働くことに憧れ、自由に見えるパイロットに憧れてのらりくらり生きてきた自分がそこで初めて見えました。

おそらく、このような経験を学生時代までに経験出来れば、留学のような寄り道などせずに人生を順風満帆に進めることができるのでしょう。

パイロットよりも人の役に立つ仕事をしたいと思ってしまった

ここまでの経緯から、パイロットとして自分の飛びたい気持ちをかなえるよりも、何か人の役に立つ仕事をしたいと考えるようになりました。

そう考えたときに、自分ができることは

  • 日本社会のレールを外れて見えたことの情報発信
  • 他の人が、私のような失敗だらけの人生を送らないための手助け
  • 先のことを考えないゆえに不幸になる人を少しでも減らす手助け

だと思ったのです。

一度閉鎖したブログを引っ張り出して再開した理由もここにあります。

まだ実現はしていませんが、今後は自分が比較的得意とするWEBライティングとメディア運営を軸にして仕事をしていきたいと考えています。

もちろん、飛行機も相変わらず好きですので、何かしらの形で戻ってこられたらうれしいです。

この記事が海外でパイロットを目指す方、また日本を飛び出して何かを達成しようとしている方の参考になれば幸いです。

  • この記事を書いた人

きゃぶ

書くことと、人の成長を見ることが好きで、ブログを運営しています。 英語、IT、WEBメディア運営に興味がある雑食動物です。 大手機械メーカー技術者のキャリアを捨て、昔からの夢であるパイロットを目指してカナダに渡航し、コロナで失敗。現在の本業はメーカーの通訳です。 カナダ留学で価値観が180度変わってしまったため、人生を軌道修正中。

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